「社会保険」ってよく聞くし、社会人として入っていた方がいい保険っていうのは知っているけれど、いざ「社会保険ってどんな保険?」と聞かれると、不安になる方もいるのではないでしょうか。
正社員だけでなく、契約社員、派遣社員、パート、アルバイトも加入対象となり得る社会保険制度。
今更、聞きづらい、社会保険を上手く活用したい!そんな方へ
今回は社会保険の基礎知識をお伝えしたいと思います。
◆ 社会保険とは?
社会保険は、国民の生活保障が目的で設立された公的保険制度です。
社会保障のひとつで生活の中に潜むさまざまなリスク、例えば 病気、怪我、加齢、介護、失業、労働災害 などのリスクに備えます。
民間の生命保険や損害保険と異なり、一定の要件に該当する人であれば、社会保険に加入する事ができます。
◆ 社会保険の種類は何があるの?
社会保険の主な項目は、健康保険・厚生年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険の5つです。
- 健康保険:病気や怪我で病院に行ったときに受けられる保険
- 厚生年金保険:厚生年金保険とは、サラリーマンなどのように会社で働く方々が加入する公的年金
- 介護保険:65歳以上で要介護になった場合に支援や介護サービスを受けるための保険
- 雇用保険:失業した際に生活費を受け取るための保険
- 労災保険:業務中・通勤時の怪我や病気の際に発生する医療費を賄うための保険
上記,保険料は事業主と労働者がそれぞれ負担しますが、労災保険は事業主が全額負担します。
◆ 健康保険と厚生年金保険の加入条件
- 所定労働時間・所定労働日数が正社員の4分の3以上(正社員の週の労働時間が40時間の場合、30時間以上の勤務であること)
- 契約期間が2か月を超える
場合、社会保険の加入対象となります。
その他に、
- 従業員数が101人以上の企業
- 週の労働所定時間が20時間以上
- 月額賃金(所定)が8.8万円以上
- 学生以外(定時制や夜学等を除く)
- 1年以上の継続雇用が見込まれる
上記にあてはまる場合は、社会保険の加入となります。
◆ 社会保険のメリット
- 事業主が保険料を半分負担するため個人よりも金額の負担が少ない
- 健康保険や厚生年金保険について会社が保険料の半分を負担するため、個人で加入する場合に比べ安価に加入することが大きなメリットです。
- 国民年金保険や国民健康保険よりも保障が手厚い
- 厚生年金保険に加入すれば、国民年金に比べると老後毎月もらえる年金を増やすことが出来ます。
老後に備えて上乗せ部分は出来る限り増やしておきたいところです。
また、国民健康保険には基本的に「傷病手当金」がありませんので、けがや病気などで会社を休んだときに保障を受けることができません。
対して社会保険の健康保険は「傷病手当金」などの保障を受ける事が可能になります。
◆ 社会保険に加入するデメリット
- 各種保険料が毎月の給与額から徴収されるため実質、月々の手取り額が減少してしまう
- 健康保険と厚生年金保険は保険料の半額を会社が負担してくれるとはいえ、社会保険料が給料から天引きされるので、手取り金額を減らしたくない方は加入条件に該当しないよう職場との調整が必要です。
社会保険は報酬月々のお給料に比例して保険料も高くなりますが、加入して健康保険料や厚生年金保険料を支払っておけば、いざという時により高い保障を受けられるといったメリットがあり社会的信用度も高いと言えます。そのため、老後の年金が欲しい、安定・安心して働きたい人は加入した方が良いと言えるでしょう。
また、扶養の範囲内で働きたい。直近の収入が減ると困る。そんな人は無理に加入はしなくてもいいのかもしれません。ただし、加入すべき期間に加入せず、保険料の支払期間が短くなった場合は、将来の年金給付額も減額されるので注意が必要です。
事前にどのように働きたいのかを決めて、お仕事を探されると、ご自身の希望や将来設計にあったお仕事を探しやすいでしょう。
[2023年2月17日]